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Channel: 元寇の真実
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蒙古襲来絵詞

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教科書や歴史書などによく載せられているので、ご覧になったことがある方も多いと思いますが、上に張ったのは元寇にかんする貴重な資料、『蒙古襲来絵詞』の一場面です。
右側に描かれているのが絵巻を描かせた肥後の御家人・竹崎季長です。
一見すると、馬を射られた竹崎季長に、恐ろしげな形相の蒙古兵が今にも襲い掛かろうとしているようで、いかにも日本軍が苦戦しているように見えます。
ところが、驚くことにこの3人の蒙古兵は、後世に加筆されたもので資料的価値はまったく無いのです。
『蒙古襲来絵詞』に描かれた本物の蒙古兵は、上の画像の外に描かれています。

http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/7f/00/sa341gazelle/folder/526905/img_526905_2953448_1?20060420214221

比較すれば本物の蒙古兵と加筆された蒙古兵とでは、あきらかに服装や線の太さが違うのが判ると思います。
さらに本物の蒙古兵は、大半が逃げ腰で中には負傷している者もいます。
実はこの蒙古兵たちは、赤坂で日本軍の集団戦法によって散々に駆け散らされたため、敗走している最中だったのです。
鳥飼潟で逃げて行く蒙古兵を発見した竹崎季長は、追撃を試みましたが馬が射られたために、残念ながら敵を討ち取ることはできませんでした。
つまり、この絵は基本的に「元軍に苦戦する日本軍」ではなく、「日本軍に苦戦する元軍」を描いたものなのです。
他の場面でも、攻めているのが日本軍で、逃げているのが元軍です。

http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/7f/00/sa341gazelle/folder/526905/img_526905_2953448_2?20060420214602

本物の蒙古兵をカットして、わざわざ加筆された蒙古兵だけを抜き出し、いかにも日本軍が苦戦しているかのような説明文を添える・・・
どうしてこんなデタラメが、多くの歴史書や教科書などで、堂々とまかり通っているのか理解できません。
あの3人の蒙古兵が加筆されたものである事が判明したのは比較的最近のことなので、それ以前の書籍なら仕方が無いと思う方もいるかも知れません。
しかし、『蒙古襲来絵詞』に付属する文章を読めば、この絵巻がどういう内容のものかは、最初から理解できたはずなのです。

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